seit 27 der August 2010
2010.09.05 Sun
ドイツ再統一後の、フリッツの命日のお墓参りネタです。
と言う事で暗いです!!!←
ギルベルトが終始病んでます(何でこうなっちゃうのかしら^q^)←
歴史的表現や軽い性的表現を含みますので、苦手な方はお控え下さい。
それでは、追記よりドイツの面積並みに(笑)心の広い方はどうぞ!
と言う事で暗いです!!!←
ギルベルトが終始病んでます(何でこうなっちゃうのかしら^q^)←
歴史的表現や軽い性的表現を含みますので、苦手な方はお控え下さい。
それでは、追記よりドイツの面積並みに(笑)心の広い方はどうぞ!
まだ朝日が昇りきらない薄暗い部屋の暗闇の中でゆっくりと身体を起こして、確認するように床に足を下ろした。
いくら慣れている部屋の中だからと言っても薄暗闇の中では全ての自由を奪われる。
「Bitte warten……Fritz」
誰にも聞えないような声で小さくギルベルトは呟いた。
そしてなるべく足音を立てないように、寝室の隣のクローゼットへと向かった。
何百年も着ていない“あの服”――今年は何となく特別な気がして、袖を通すことにした。
そんなに体格も変わってはいないだろうし、着れるだろうとは思いつつも腕が動かない。
どこかで拒否している、自分でも忘れている記憶が……。
「大丈夫……もう二度と――」
二度と――その後が続かない。
自分でも何を言いたいのか、何を恐れているのか、もう頭が可笑しくなりそうだった。
そして動かない腕を必死に支配(コントロール)して、服の袖に腕を通した。
嗚呼、懐かしい……大きな姿見を前にして自分の姿を見た、思い出すのは“彼”との幸せだった日々。
別に今が幸せじゃないと言う訳じゃない――ただあの頃が幸せすぎただけ、ただそれだけ。
「じゃあな……ヴェスト」
帽子を被り、もう一度服装を整える。
そして軽く頬にキスをして部屋を出た。
“あの場所”には1人で行かなきゃいけない――“彼”との思い出の場所だから……。
***
「久しぶりだな」
“あの場所”――サンスーシ宮殿に着いた。
柔らかな芝生が一歩一歩の歩みを、唯でさえ重い足取りを一層重くさせた。
何も変わってはいない、このロココ調の洗練された宮殿、左右対称の美しい階段――そして、“彼”の眠る墓も……。
「……何も、変わっちゃいない」
そう――何も。
変わったのはこの世の中だけ……。
「なかなか来れなくてごめんな……フリッツ」
そう言って片膝を折って花を手向けたギルベルトは、“彼”――第三代プロイセン国王にして、後の世に大王と歌われた国王フリードリヒ2世と共に戦ったオーストリア継承戦争時の豪華絢爛の軍服に身を包んでいた。
そう、あの戦い以来着ていなかった――あの軍服。
「なぁフリッツ、どうだよ?久しぶりに着てみたんだ……すっげー懐かしいだろう?」
腕を広げて返事が返ってくる訳ないと思いながらも、必死に声をかけた。
ただただ、こんなことしか出来ない自分が情けなく思った。
「……あと、フリッツに謝んなきゃいけねぇことがあるんだ――と言ってもそっちから見てたと思うけどな」
僅かに声が震える。
「ごめんな、王国……フリッツが……俺、に」
泣き崩れた。
自分でも涙が止まらない、流した涙が冷たい墓標の上に染みていく。
こんなに泣いた記憶はあるだろうか?そう思うほど涙が止まらない……嗚呼、感情が溢れてくる。
「何、で……」
“何で王政撤廃で王国は無くなったのに自分は生きているのか”――そう言おうと思っても声が詰まる。
そして搾り出すように呟いた。
「俺も……そっちに逝かせてくれないか?」
ずっと言いたかった言葉――誰にも見せたことのない自分の弱い面が溢れ出す。
「なぁ、もう俺……疲れたんだよ」
そして冷たい墓標に口付けた。
伝わってくるその冷たさに身震いしたが、今はそんな余裕は無い。
「そんな冷たいところで眠って、寒くないのか?そんな狭いところに入れられて……そんな、とこで眠ってないで早くローデリヒの坊ちゃんとこ攻めに行こうぜ……?」
自分でも何を言ってるのか分からなかった。
ただ頭に流れた言葉を発することしか出来なかった――と言えばこの論理は片付けられるのだろうか?
「ほら……早く、俺はまだ……まだ戦えるんだぜ?」
誰よりも愛していた。
どの時代、どの上司に変わっても忘れられることが出来なかった。
いつもどこかに面影を探していた。
嗚呼、もう二度と――。
「……Ich liebe Friedrichs des Großen」
もう二度と――俺は貴方以外は愛さない。
いくら慣れている部屋の中だからと言っても薄暗闇の中では全ての自由を奪われる。
「Bitte warten……Fritz」
誰にも聞えないような声で小さくギルベルトは呟いた。
そしてなるべく足音を立てないように、寝室の隣のクローゼットへと向かった。
何百年も着ていない“あの服”――今年は何となく特別な気がして、袖を通すことにした。
そんなに体格も変わってはいないだろうし、着れるだろうとは思いつつも腕が動かない。
どこかで拒否している、自分でも忘れている記憶が……。
「大丈夫……もう二度と――」
二度と――その後が続かない。
自分でも何を言いたいのか、何を恐れているのか、もう頭が可笑しくなりそうだった。
そして動かない腕を必死に支配(コントロール)して、服の袖に腕を通した。
嗚呼、懐かしい……大きな姿見を前にして自分の姿を見た、思い出すのは“彼”との幸せだった日々。
別に今が幸せじゃないと言う訳じゃない――ただあの頃が幸せすぎただけ、ただそれだけ。
「じゃあな……ヴェスト」
帽子を被り、もう一度服装を整える。
そして軽く頬にキスをして部屋を出た。
“あの場所”には1人で行かなきゃいけない――“彼”との思い出の場所だから……。
***
「久しぶりだな」
“あの場所”――サンスーシ宮殿に着いた。
柔らかな芝生が一歩一歩の歩みを、唯でさえ重い足取りを一層重くさせた。
何も変わってはいない、このロココ調の洗練された宮殿、左右対称の美しい階段――そして、“彼”の眠る墓も……。
「……何も、変わっちゃいない」
そう――何も。
変わったのはこの世の中だけ……。
「なかなか来れなくてごめんな……フリッツ」
そう言って片膝を折って花を手向けたギルベルトは、“彼”――第三代プロイセン国王にして、後の世に大王と歌われた国王フリードリヒ2世と共に戦ったオーストリア継承戦争時の豪華絢爛の軍服に身を包んでいた。
そう、あの戦い以来着ていなかった――あの軍服。
「なぁフリッツ、どうだよ?久しぶりに着てみたんだ……すっげー懐かしいだろう?」
腕を広げて返事が返ってくる訳ないと思いながらも、必死に声をかけた。
ただただ、こんなことしか出来ない自分が情けなく思った。
「……あと、フリッツに謝んなきゃいけねぇことがあるんだ――と言ってもそっちから見てたと思うけどな」
僅かに声が震える。
「ごめんな、王国……フリッツが……俺、に」
泣き崩れた。
自分でも涙が止まらない、流した涙が冷たい墓標の上に染みていく。
こんなに泣いた記憶はあるだろうか?そう思うほど涙が止まらない……嗚呼、感情が溢れてくる。
「何、で……」
“何で王政撤廃で王国は無くなったのに自分は生きているのか”――そう言おうと思っても声が詰まる。
そして搾り出すように呟いた。
「俺も……そっちに逝かせてくれないか?」
ずっと言いたかった言葉――誰にも見せたことのない自分の弱い面が溢れ出す。
「なぁ、もう俺……疲れたんだよ」
そして冷たい墓標に口付けた。
伝わってくるその冷たさに身震いしたが、今はそんな余裕は無い。
「そんな冷たいところで眠って、寒くないのか?そんな狭いところに入れられて……そんな、とこで眠ってないで早くローデリヒの坊ちゃんとこ攻めに行こうぜ……?」
自分でも何を言ってるのか分からなかった。
ただ頭に流れた言葉を発することしか出来なかった――と言えばこの論理は片付けられるのだろうか?
「ほら……早く、俺はまだ……まだ戦えるんだぜ?」
誰よりも愛していた。
どの時代、どの上司に変わっても忘れられることが出来なかった。
いつもどこかに面影を探していた。
嗚呼、もう二度と――。
「……Ich liebe Friedrichs des Großen」
もう二度と――俺は貴方以外は愛さない。
Das Ende der Geschichte.
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女性
誕生日:
1994/04/16
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自己紹介:
将来の夢はフリードリヒ大王のお嫁さんになること←
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